高速道路を快適に

[1] 高速道路の速度区分

<1> 私の改正案

1:高速道路の最高速度は、車両ごとではなく、車線ごとに区分する。

2:車線ごとの最高速度は左から右に行くに従って速くする。例えば左から80km/h、100km/h、120km/hのように。

3:追越車線も走行車線とする。

<2> その趣旨

1:同一車線に異なる法定速度の車両を混在させると、無理な追い越しを助長させる。

2:左の車線を速くしてしまうと、加速車線からの合流時に速度差が大きい。

3:高速道路のように環境が変化しにくい道路において、全車線で速度を統一すると、目の錯覚により速度感覚がなくなり、居眠り運転を助長させてしまう。

4:現在主流となったドアミラー車は、左横の死角が大きいので、左車線よりも速く走っている方が、左への車線変更の際に接触の危険が少なくなる。

5:軽自動車の衝突安全性の向上。二輪車・軽自動車の走行性能の向上。


[2] 高速道路における二輪車2人乗り


<1> 賛成派

 二輪車は速度を上げるほど直進安定性が高まる。加減速や車線変更の多い一般道で2人乗りを認めながら、なぜ、環境変化の少ない=事故のきっかけが少ない高速道路では認めないのか?諸外国での科学的分析においても、その安全性は確認されている。

 また、高速ツーリングで1台のバイクがもう1台のバイクを追跡しながら走るより、2人乗りして1台のバイクで移動した方が事故の危険は減る。

<2> 慎重派

 前にバンドしか付いてないバイクの後席に乗ると制動時に前のめりになるし、後ろにタンデムグリップしか付いてないバイクの後席に乗ると発進時に後ろにのけぞる。前後両方につかまるものがあればいいのだが、安全性や居住性で満足できる後席を持ったバイクは本当に少ない。

 それならば、終始運転者にしがみついてろ、と反論されるかも知れない。しかし、バイクは体重移動で曲がるもの。しがみつかれた状態では緊急回避がしにくいし、長時間走行だと双方の疲労が大きくなる。また、互いのヘルメットが干渉してミラーが見えなくなるし、風圧の大きさも一般道と比べものにならない。

 また、諸外国で安全性が認められた実験結果が首都高速道路のような劣悪な環境で通用するだろうか?首都高速道路は法定速度が60km/hだが、連続している前後の高速道路が100km/hのため、首都高速内でも空いてるときは100km/hの流れになっている。そんなところを例えば西神田ランプで、150ccの2ケツしたスクーターが安全に合流できるのだろうか?

<3> 両者の調整による改正案

 上記<2>の心配を取り除けば、高速道路での2人乗りを拒む理由はなくなる。ならば、とりあえず排気量の大きなものから次のように改正して様子を見るというのはどうだろう。

 運転を妨げない方法で、同乗者が長時間座り続けることのできる構造を持つ小型自動二輪車については、高速道路での2人乗りを認める。
 具体的には、背もたれ(シーシーバー、リアトランク等)と取っ手(アシストグリップ、バンド、キャリアー等)の両方を備えていること。二輪車の大きさについては交通法の大型二輪車(400cc超)にしようと思いましたが、料金所でナンバープレートで容易に判別できるようにするため、車両法の小型自動二輪車(250cc超)としました。

 二輪車の高速2人乗りが解禁されて随分経つが、二輪車の事故は増えただろうか?そんな話は全く聞かない。結局、反対者の多くは自らは(バイクを)運転しない人達だったのだろう。


[3] 自動料金徴収システム(ETC)


<1> ETCは必要か?

 ETCの採用は、迅速な料金決済による高速道路の渋滞緩和を建前としている。しかし、高速の出入口付近には必ずと言ってもいいほど一般道の信号がある。交通量が多ければ、料金所の有無にかかわらず一般道との合流地点で渋滞は発生してしまう。むしろ、料金所があることで、一般道と高速道路の交通の流れを二段階(信号+料金所)で調整しているとも言えなくもない。

 料金収受に係る人件費を節約することで高速料金が安くなるなら歓迎だが、自動決済という便利さのどさくさに紛れて通行料を永久有料化にしようというのでは?
 高速料金はETC送受信機に挿入したクレジットカードで決済されるから、おいそれと他人にETCカードを貸すことはないだろう。ということは、特定個人が何時にどこを移動したのか分かってしまうのである。あまり気持ちの良いものではない。

 ETCのセットアップ料金の仕組みも胡散臭い。車両(車種)ETC送受信機が一致すればいいのだから、その登録は一度だけやればいいはず。車両のオーナーが代わってもセットアップなど必要ないはず。

<2> ETCの悪夢(この物語はフィクションです、念のため)

 私はこの間、近未来の日本の夢を見た。夢の中では、私は無公害バスに乗って都内を移動中の海外旅行者だった。バスの車窓から、道路のそこらじゅうに設置されたモノを不思議そうに見ていたら、隣に座る老人がしゃべりはじめた。名前は聞かなくとも分かった。日本人なら皆、免許証を兼ねたIDカードを胸に付けなければならないからだ。

 日本語なので全部は聞き取れなかったが、だいたいこんな事を言っていた。ケーサツがそこらじゅうに設置したカメラのおかげで都内の渋滞が解決した。軽微な交通違反を次々撮影しまくって、その度に行政制裁金を運転者の銀行口座から勝手に引き落としていくので、口座が空になりクルマまで差し押さえられた人も多いという。生き残ったマイカーのほとんどは自動運転タイプという。

 また、暗撮カメラの大量設置は、人員による取締りを必要としなくなった。道交法等の改正を重ね、オービス/Nシステム(勝手に撮影)+行政制裁金制度(勝手に有『罪』?)+ETC(勝手に徴収)=という『三種の神器』を融合することに成功したのだ。

 次の駅で老人は下車したが、その際、1枚のシールを私にくれた。
『STOP!!C.P.A』 CPAは多分、Collect Penalty Automaticallyの略だと思う。


[4] アメリカ・カナダの高速道路(体験記)


<1> アメリカ (ロサンゼルス〜ラスベガス)

 ロスのダウンタウンでは、一般道のあらゆる所に高速の入口がある。入口が多いのに高速が渋滞しにくいのは料金所がない(無料である)ことと、加速車線がそのまま走行車線になる(合流する必要がない)ことが原因だと思う。片側5車線の所も多い。

 車線が突然真っ二つに分かれるので、目的地に合わせて予め走行車線を決めておいた方がいい。流れがとても速いので、急な車線変更は難しいからだ。法定速度は55マイルから75マイルくらいだった。(1マイル=1.6km/h)実際の流れはもっと速いので、スピード出し過ぎかな?くらいが丁度いい。

 欠点の一つは路面が粗いこと。(修復費用が賄えないせい?)粗い路面でスピード出すからタイヤの磨耗はかなり激しい。通勤ラッシュ以外で2回、渋滞に出会ったが、いずれもバースト車の立ち往生が原因だった。それでも5車線もあるから通行自体にそれほど支障はない。至るところに落ちてる黒いゴミは全部タイヤの『破片』だった。

 もう一つの欠点は暗いこと。照明や反射板がない所が多く、車線の区分も白い破線だけ、上下線との境も黄色線1本だけ、という区間もある。でも、その暗さのおかげでラスベガスへ向かう途中、獅子座流星群を見ることができた。


<2> カナダ (カルガリー〜アサバスカ)

 カナダでは、一般道を進んでるといつのまにか高速道路になる。法定速度は30km/hから120km/hまで臨機応変に変化する。交通量の多い都市部を30km/hで転がすと、車間距離をうまく調整できて、停止回数を減らすことができる。一方、山間部では日本の1.5倍以上の法定速度だし、ガードレールもないので、それ以上出すとかなり危険。カナダの法定速度は、実際の流れや安全性を充分に考えていると感じた。

 事故や渋滞は見なかった。でも、居眠り運転を経験した。スケールがデカ過ぎて景色が変化しないし、路面からの振動も大きかった(フォード車だった)から、すぐに眠くなってしまうのだ。眠らんとする意志がしっかりしていても、一瞬、時間を飛ばされたかのように、意識のスイッチが切れてしまう。走行時間が増えるほどその頻度は増える。

 居眠り運転で道から外れても、平地なら大丈夫。カナダの高速は、道路部分が盛り上がっているし、上下線が離れているので、左右どちらに外れても後続車や対向車に迷惑がかからない。この造りはまた、野生動物の保護にもなりそうだ。

 しかし、山間部での居眠り運転は危険だ。片側1車線だし、ガードレールも、休憩スペースもないので、次の観光スポットまで睡魔に勝ち続けなければ、命の保証はできない。対向車との衝突、崖からの落下、湖への陥没、選択肢は多い。強いて挙げれば、これがカナダのハイウェイの欠点だろうか。


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