歩車分離信号を標準に

  一般的な信号は歩道と車道を区別することなく交互に交通するように信号が変わる。十字型の交差点を例にすれば、縦軸の車道及び歩道横軸の車道及び歩道、という2サイクルで信号が変わり交通させる。

 この仕組みだと、右左折する自動車と歩行者が横断歩道で接触する危険があるばかりか、歩行者の横断を待たなければならないので車道の流れが悪くなる。歩行者にとっては安全性が自動車にとっては円滑性が悪い。

 片側一車線で歩行者の横断が多い十字型交差点をイメージして欲しい。車道と歩道の信号が同時に青になるも、先頭左折車両は切れ目無く横断する歩行者全てを待たなければならず、なかなか左折できずに交差点内に停止する。イライラする後続直進車は対向車を妨害して左折待機車を大きくよける。あっという間に歩道が赤になり、やっと2、3台が直進できたかと思うと、車道も赤になり、あわてて対向右折車1台が右折して、その後の対向直進車は直進できずに次の青信号まで待つ。

 ここまで極端な例は稀だが、自動車に煽られる歩行者のプレッシャーと歩行者を待つ運転者のストレスは、交差点内で歩行者と自動車を同時に進行させる限りはなくならない。

 これを改善するには立体横断歩道を建設すればいいじゃん、と私は思っていた。しかし立体横断歩道の建設にはカネがかかりすぎるし、建設したところでルールを守らない歩行者や自転車がいなくなるわけではない。

 下記リンク先で教えられたが、歩車分離信号なら信号機の点灯サイクルを変更するだけ、つまりカネをかけずに交差点の安全性円滑性を向上させることができる。

 歩車分離信号とは、交差点において歩行者の交通と自動車の交通を時間的に分離する信号をいう。十字型の交差点を例にすれば、縦軸の車道横軸の車道歩道(スクランブルも可能)という3サイクルで信号が変わり交通させる。つまり、横断中の歩行者に自動車が接近しないし、右左折中の自動車が急ブレーキすることもないので安全性は大きく向上する。

 サイクルが長くなるから円滑性の方は悪くなると思いがちだが、1サイクルあたりの移動台数が増え、円滑性が阻害されないばかりか、むしろ向上することが実証されているという。

 移動速度の異なる歩行者と自動車が交差点で混合交通している従来の信号サイクルの問題点は、法定速度の異なる車両同士を同一車線で混合交通させる原付規制の問題点に似ている。歩車分離信号を標準に!は私のアイデアではないが、その採用に賛同する一人として、『交通環境を改善しよう』に取り込ませて頂きます。

『こどもの命を守る歩車分離信号』を訪問する

記述 2008.3.6


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