トヨタ車体・コムス


 ライバル:タケオカ・ミリュー/ミツオカ・MC-1EV
 両車に対する長所は:
  1剛性感 2走破性 3踏破性 4乗降性 5サイズ 6スノーチェーンの存在
 両車に対する短所は:1最高速 2一灯ライト

 画像は2000年5月に登場したEVミニカー:アラコ・コムスである。アラコはトヨタ・プリウスを製造するトヨタグループのメーカーで、現在はトヨタ車体と社名変更している。当時は試乗車がなかったのでメガウェイブにある展示車を見てきた。

 スリムなボディなので、状況によっては二輪車のようにすりぬけできるかも知れない。床がフラットなので乗降性は驚くほど良かったし、足元やシート下に荷物を置くスペースもあった。シートは簡易なものではあるが、耐候性のある材質だし、座り心地も見た目より良かった。車体を左右に揺すっても、きしむ音は聞こえい。ミニカーとしてはなかなかの剛性感だ。

 サスペンションは路面追従性に優れる4輪独立式のダブルウィッシュボーン駆動モーターを左右それぞれに独立して搭載することで、デファレンシャルを不要とし、スペース効率も向上させた。最高速こそミツオカ/タケオカに譲るものの、それを半分(0.29kw)の出力で叩き出すエネルギー効率。そして12インチの専用ラジアルタイヤによる踏破性とグリップ。ライバルとは比較にならないほどの技術が盛り込まれている。ミツオカ/タケオカが原チャリの延長線とするならば、トヨタ車体・コムスは自動車の縮小版そのものである。

 コムスそのものを試乗したことはないが、コムスをベースにしたCQモータース:キューノに試乗できたのでそちらも参考にして欲しい。

 00年当時はオープンモデルで税抜650,000万円(オプションなし)という価格であったが、08年現在では税抜735,000円(オプションなし、楽天市場)である。最低限欲しくなる屋根付きモデルに幌・トランク・ボディカラーを装着すると税込みで90万円を超える。これはエアコン付きでオートマチックの軽自動車が新車で買えてしまう値段である。いくらなんでも高過ぎではないか。

 面白いのは航続距離の表記。発売当初は30km/h走行で80km/hを謳っていたが、08年現在では市街地走行35km程度、と改められている。あまりに現実とかけ離れた数字だったので購入者からクレームが来たのではなかろうか?EVミニカーに長時間試乗できる機会があれば、是非とも電費を計ってみたい。

 

 上の写真は参考出品車で発売等は未定とのこと。フラットな床面は、車椅子積載への応用も可能としている。全長は43cm、全高は6cm、重量は150kg、それぞれ増加している。航続距離は25%程度減少している。尚、自操式ミニカーというアイデア自体はアラコが初めてではなく、タケオカがガソリン車で既に商品化している。

トヨタ車体・コムスHPアドレス  http://www.toyota-body.co.jp/products/life/ev/coms/index2.html

2008.3.8一部修正/ 2000.9.13追加

表紙に戻る