Gマーケット・エミューダ

  長所:1エネルギー効率 2自己発電機能
  短所:1商品性 2発売未定

 タケオカ・ミリューのランニングコストは深夜充電で0.5円/km。これは航続距離50km(走行速度50km/h)で1充電10時間というところから計算されたものなので、深夜の電気代は2.5円/hということになる。これを基にしてエミューダのランニングコストを計算する。

 カタログ上では航続距離100km(走行速度30km/h)となっているが、担当者の説明では50km/h走行では6〜7割になるというので、仮に実用航続距離を62.5kmとして計算すると、30分充電なので、ランニングコストは1.25円で62.5kmとなる。1円で50km。ガソリンが100円/Lとすると、燃費換算5000km/L!!

 しかも、わずか5分で75%も充電してしまうという。それなら、、、ツーリング中にガス欠、いや電欠したら、自動販売機でジュース飲むふりして、コンセント差し込んじゃおうか?なんて考える人もおいでだろう。

 しかし、電気泥棒になる必要はない。このエミューダ、走行中に電気を使い果たしても、既存のEV車のように全く動けなくなるわけではない。スタンドを立てた状態でアイドリングをするかのようにスロットルグリップを回し続けると、自ら充電を開始して、回した時間の分だけ走行できるという。

 つまり、電気を食うだけじゃないということ。バッテリーの力でまずマグネットモーターを回転させるが、1度回り始めたマグネットモーターは自ら回転し続けて発電し、走行や充電に使われるという。自己発電機能を持つため、elfeneratingotorと命名された。

 もしこれが本当なら革新的な発明だろう。しかし、エミューダを純粋にスクーターとして評価すると、厳しくならざるを得ない。

 まず、収納性と積載性が悪い。メットインスペースだが、半キャップとジェットの中間的なヘルメット、つまり警察官や郵便局員が被っているサイズなら収納可能。他に収納スペースは一切ない。また、リアキャリアや前カゴはオプションとしても設定をしていないばかりか、自分で取りつけようと思っても、適当な位置にボルトがない。特にフロントの方はウインカーの位置からしても装着を考慮していない。フットボードには段差があるし、コンビニフック用のネジに交換できるかどうかも、、。

 そして機動性が低い。イグニッションをONにして、アクセルを回す。その出足はガソリン車とも既存のEV車とも感覚が異なる。出足が鈍い、、という以前に、スロットルグリップを回しても、ウィ〜ンと唸って振動するだけで、なかなか動かないのだ。グリップを半分くらいまで回してやっと動いてくれた。これはSGMが回転するまでのタイムラグなのだろうか。発進の度にもたつくので、イライラする。ハンドルを切った状態での発進ではバランスを失いやすい。

 アクセルを全開にしても、スピードの伸びは緩やか。メーターはフルスケールで80km/h表示だが、実際の速度は試乗区間では55km/hまでしか確認できなかった。動き出してから最高速までの伸び方は今まで乗ったものの中ではミント的。代表的な2ストスクーターのような元気さやMC-1EVのような低速トルクはない。

 旋回性も悪い。画像を見ても分かるように、ボディカバーがサイドスタンドよりも下に垂れている。カーブでは普通に曲がるだけでもすぐに擦ってしまう。バイクとしての基本がなってないし、スクーターとしての商品性も未熟だ。

 試乗した時点では2001年春登場予定とのことだったが、未だに完成モデルを拝見していない。本当に開発に成功したのだろうか?

 これって永久機関詐欺ってやつですか?

2001.5.20 一部修正/ 2000.11.26 記述

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