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(^-^)『めずらしいバイクですね。名前はなんて言うんですか?』
(^^;)『だっしゅ!』
(@@?)『、、、、、』
ガソリンスタンドで何度赤面したことか。
こういう名前をカッコイイと思う時代が日本にもかつてあったのだろうか。
タイホンダ製アンダーボーンバイクは私の認知でも4種類、日本に上陸している。その中で現在フラッグシップモデルとなっているのが、このDASH125RS。試乗したのはキャストホイールに換装した96年式モデル。現行01年式モデルはカウルデザインがよりスタイリッシュになり、ライトもマルチリフレクター化、排ガスもクリーンになっているという。
搭載されるエンジンは水冷2st22ps。諸元からしてNSR125系のものだろうか。それをNS50F並みの大きさしかないアンダーボーンフレーム(わずか105kg)に積み、細いタイヤで走らせるわけだから、見た目はかなり危なっかしい。実際、極低速すりぬけでは、アクセル・クラッチ操作に気を使うし、ニーグリップもできないので、車体を安定させるのに少し神経を使う。
ニーグリップできないということは、逆にニーグリップに制約されないことでもある。慣れてしまえば“自分のしっぽを追いかける子犬”のような小回りができるし、ライン取りを間違えた際、瞬時にリーンアウトの態勢を取ることもできる。ただし、、、長時間走行ではやっぱり腕が疲れてくる。シート表皮にもグリップが期待できないので、フルブレーキの際は体が前にスライド。それを腕力だけで支えなければならない。正に鉄腕DASHなのだ。
Racing?Sports?を名乗る2ストらしく、エンジンはかなりピーキーだ。スロットルグリップを回しても?はじめは元気がなく、?もう少し開けると普通に動き出し、?また元気をなくしたと思ったら、?今度は突然ロケットのように突き上がり、?最後は息切れするという感じ。トルクカーブも?以外ではめちゃくちゃ。でも?の部分がある程度充実しているので、NS-1等よりは使いやすいだろう。
エンジンを?まで回せば1速=30km/h、2速=60km/h、3速=90km/h、4速=120km/hまで伸びる。5速・6速は試せなかったが、最高速は160km/hを超えるという。しかし、そこまで回してもおいしくない。まめなシフトチェンジで?のパワーバンドを駆使して変速の度にジェットコースターのような加速感を味わいたい。快適な回転域はなく?のみ快楽なバイクなのだ。
シフトパターンは通常のリターン式バイクと同じく⇒1N23456。シフトペダルの操作方向も通常のリターン式バイクと同じく、すくい上げてシフトアップする。一応シーソーペダルにもなっているが、カカトでシフトアップするのは苦しい。
試乗期間中に完璧には乗りこなせなかったので、戦闘力について具体的な車種比較はできなかった。こいつの爆音ぶりに周囲が引いてしまったのかもしれない。軽量な車体と瞬発力のあるエンジンはコーナーでの立ち上がりを楽にしている。ワインディングでの走りは痛快の一言に尽きる。ほぼ無敵ではなかろうか。
覚悟はしていたが、やはり速い分だけ燃費も悪かった。600km平均で16.4km/L。信号停止の多い市街地での2ケツが⇒12.9km/L。信号停止の少ない国道をキビキビ走って⇒21.5km/L。市街地1人乗りではどんな走り方をしても、15km/L程度に落ちつく。峠を攻めた方がまだ燃費は良い。
気になるのは燃費の悪さよりも航続距離。初夏でさえ40〜80kmしか持たないのでは、冬の短距離ではどうなるんだろう?シート下にガソリンが4Lちょいしか入れられないことを最大限に誉めたとしても“給油量による重心変化が少ない”くらいしか思いつかない。タンク容量が少ないくせに燃料計の目盛りが多いので、燃料計の針はぐんぐん下がっていく。
とても騒々しいバイクだ。カブオーナーとしてこいつの騒音を許容できるのはスロットルで?の範囲に限られる。速度では1速=10km/h、2速=20。3=30、4=40、5=50、6=60。それ以上でもそれ以下でも力不足か騒音多過となる。あらゆる意味で通勤には向かないバイクと言っておこう。
タイ産といえども品質について特に気になる所はなかった。ヘッドライトも2灯式で適度な明るさがある。試乗期間中に一度プラグを清掃した以外何もしなかった。
近いうちに2ストの生産中止を公言しているホンダだけに、このモデルが新車で買えるのもあと数年のうちかも知れない。実用性は低いが30万円くらいなら許せるかな。
2001.7.22〜24 記述