ミツオカ
MC-1

ミニカー登録したジャイロキャノピーに対して
  長所: 1安定性 2防雨性 3後退可
  短所: 1駐車場所の確保 2動力性能 3制動力 4燃費 5すりぬけ 6生産終了

 MC−1(T)は排ガス規制のため2007年1月31日で生産終了となりました。EV仕様のMC−1EVは継続販売中です。

 上の写真はMC-1T。全長がMC-1より20cmほど長く、価格も違うので注意して下さい。MC-1は一番安い自動車。本体385,000円+幌セット20,000円+送料25,000円(地域により異なる)で430,000円。これに消費税と自賠責があれば買える。しかし、自動車といっても一人乗りだし、一般道しか走れないので、軽自動車より実用性は低い。ライバルは、性能的にも価格的にも、ホンダ・ジャイロキャノピー(424,000円)になると思う。

 98年夏、光岡のディーラーでMC-1に試乗させてもらった。カタログで見るとおもちゃだが、ハンドル、ウインカーレバーなどの操作方法がクルマと同じだし、サイドブレーキ、ルームミラー、ハザードランプ、2点式シートベルトまで付いてる。シートは前後調整までできる。おおっ、クルマそっくりじゃん。

 早速エンジンキーをひねってみた。あのう、エンジンキーに貼ってあるシールにウイングマークが浮き出てるんですけどお、、、、、。もしかしてエンジンも???イグニッションを回してセルスタートボタンを押す。キュルキュルキュル、、、パルパルパルパル、、、と始動するあたりは原チャリそのもの。だが、重さが160kgもあるせいか、発進が原チャリのように軽くないし、終始、力不足で騒音も大きい。最高速は平地で50km/hちょい。動力性能はジャイロに負ける。

 ハンドルが軽い割りには前輪は安定している。なんでもステアリングには、自動車と同じラックアンドピニオン方式を採用しているという。わずか1.1mというホイールベースはピッチングを大きくし、トレッドの狭さもロールを大きくしている。初期の3輪ミニカーはカーブでよく転倒したらしいが、MC-1はどんなに頑張ってFAST-INしても転倒させることは出来なかった(笑)

 購入を検討している方が、女性や高齢者ならば、是非試乗してみて欲しい。このブレーキの弱さを普通のクルマで例えるなら、『下り坂でエンジンを切った状態でブレーキをかけるとき、真空倍力装置が作動せず、すううんごおおく力を込めないと止まらない。』という状況に似ている。8インチタイヤのドラムブレーキじゃあ、たとえ油圧式といえども頼りない。一番ブレーキの効かない原チャリ〇〇〇よりもさらに効かない。車間距離にはくれぐれも注意して頂きたい。

 雨天や寒い日に運転するにあたって気になる点が2つある。
 ひとつは、幌を付けたら窓が曇らないか?どうかである。セールス氏は『ボディと幌のわずかな隙間から風が入り、窓が曇らない』と言うが、その『隙間』は窓ガラスの下ではなく、ドア側にあるので、効果は疑わしい。きちっと確認してから買わないと、後で後悔することになろう。

 2つめは、キックスターターが付いてないこと。 エンジンが2ストなので、寒い日にセルスターターだけで始動できるか心配だ。キックスターターも付けて欲しいところだが、付ける場所が、、、。とりあえずは、点火プラグを高性能なものに交換するのが対策か。

 実は私、MC-1が欲しくてたまらないのだが、購入をためらう理由が他にもある。ひとつは排気量が50ccであるため、耐久性や燃費が心配だ。カタログデータでは21km/L(50km/h定地走行)だから、実際はせいぜい15km/Lぐらいだろう。タンク容量は7Lなので、実用航続距離も普及タイプの原チャリと同様だ。動力性能・燃費・排ガス・騒音を改善するには最低でも4スト125ccのエンジンが欲しいところだが、残念ながらミニカーの排気量UPは現行法では違法である。

 もうひとつは交通安全協会が運営する駐『輪』場に駐車できないこと。ミニカーは道路運送車両法では原付だから、安協の規定をほんの少し書き換えれば、駐輪の対象にできるはずである。原付スクーターの2台分の面積を占有するというのなら、駐輪料金も2倍にすればいいではないか。

 というわけで、現時点ではミニカーの実用性は低いと言わざるを得ない。しかし、実用性より趣味性をアピールしたのが上手かった。タミ●の社長もこの公道走れるプラモデルを買ったに違いない。発売から2年半経ち、中古車が20万円程で出てきている。

 MC-1オーナーであるno_takeさんが下記の通り貴重なカキコをして下さいましたので、皆さん参考にして下さい。

●雨の日の視界

 幌の透明ビニール越しなので後ろはほとんど見えません。左右もきついです。特に夜間は前しか見えないと思って良いです。

●寒い日の視界

>幌を付けたら窓が曇らないか?
 冬場はめちゃくちゃ曇ります。信号毎に拭くしかありません。

●安定性

 凸凹道だとボッコンボッコンはねるので、かなり振動します。そのため、ヘッドライトは1年保たずに交換になります。その際に消費電力が多い(ワット数が高い)電球にするとバッテリー上がりの原因になります。
 しかし、よく言われる「カーブでイスの左右から転げそう」はありません。意外に安定しています(ただし、私のMC-1はスポーツシートにしてあるのが良かったのかも)

●馬力

 エンジンの回転音で坂道が分かります(苦笑)上り坂で遅くなり(一般国道では30km/hまで落ち込む)、下り坂で早くなり(60km/h程度までだが、50km/hを越えると体感速度がすごいのと軽いハンドルのため非常に危険)全く余裕のない走りです。山道では6km/hまで落ち込んだことがあります(そんな道は走るなって気もしますが)
 なお、50km/hを越えるとエンジンにリミッターかかる様子。

●燃費

 はっきり計ってはいないが、21km/Lに近い値はでる模様。

●幌の装着

 冬場は生地が縮んで付けづらい。

●サイドミラー

 走行中に風圧で閉じてきます(笑)信号待ちの時に調整しましょう。幌がある場合は操作できないので、あきらめるしかありません。

●リヤデッキ

 段ボールなどを詰めるので便利です。おすすめ。

●前篭

 あると子供に指を指されて笑われる屈辱を味わえる。でも便利。

●防犯装置

 ちゃちいエンジン兼キーのみ。しかもサイドブレーキを解除すると人が後ろからラクラク押していけるので、ほとんど「盗ってください」状態。増設する場合はバイク用のワイヤーロックが有効(ハンドルと後ろの支柱で固定)

●長時間走行

 帽子がないと風で髪がくしゃくしゃになります。

●外見

 注目度200%。異常に目立つ。助手席や後部座席に何人か乗り合わせている車だと、わざわざ周りの人に知らせて余計にギャラリーが増える。小学生以下の場合は手を振ってくる場合がある。中高生は笑うか「カワイー」とか言う。 駐車場に止めておくと、車に戻ったときに1/2以上の確率で何人か車を見物して、しかも高確率で質問責めに遭う。信号待ちをしていると、たまに隣の車から質問される。

 とにかく外見から来るインパクトはかなり強烈なようで、今まで何人に質問されたか分かりません。庶民風なのが聞かれる最大の原因なのでしょうか?なので恥ずかしがりや、口べたな方は絶対にやめた方がよいでしょう。

●始動性

 冬場でも始動は出来ますが、バッテリーの問題で始動できなくなるので、キックスターターは欲しい装備です。バッテリーの問題は「走行での発電量」≒「ライトなどの消費量」に尽きます。止めて置くとライトは常灯なので、あっという間に上の関係が崩れてバッテリーが無くなります。

●耐久性

 全くない(きっぱり)ので、「おもちゃ」と割り切らないとだめです。買って2年でガタがきました。いきなりエンジンが止まったり、走行中にマフラーが落ちたり、ねじがいつの間にか無くなったり、幌が裂けたり、篭がカビついたり、、よって私見的助言ですが、中古は絶対にやめた方がいいです。

●保管場所について

  リンク先の体験談をご参照下さい。

最後にミツオカHPアドレス紹介  http://www.mitsuoka-motor.com

2007.2 追記/2001.7 オーナーレポート/2001.2 追記/2000.9 記述

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