ホンダ・モンキー
じゃなくって
金城・ドギー

 モンキーの長所:1整備性 2デザイン 3経済性 4被積載性 5豊富な改造部品
 モンキーの短所:それを克服するための改造地獄
 ドギーの長所:価格
 ドギーの短所:品質

 こいつはホンダ・モンキー()と瓜二つだが、中国からの輸入車、金城・ドギー(子犬)である。タンクは1色で、エンブレムの代わりにデカールが貼ってあり、モンキーよりかなり安っぽい。中国では模造商品の登場で日本メーカーが苦戦しているとのこと。ドギーも張本人の1台であろう。そもそも名前からして犬猿の仲にある。尚、私のドギーは12V自動遠心クラッチ3速であるが、2月下旬に手動クラッチ4速も登場。

 4スト50ccだから出足は当然びりっけつ。しかし、それを許せる魅力があるから(モンキーは)ロングセラーモデルになるのだ。見た目以上に良く動くサスペンションとショートホイールベースがピッチングを楽しくしている。40km/hを超えると路面の凹凸によっては衝撃を吸収しきれないが、それ以下の速度なら、サスペンションや制動力に特に不満はない。

 当初は非力過ぎる感があったエンジンも、そして、ぎこちなかったシフトチェンジも、丁寧に慣らしていくことで随分と軽快になった。最高速は、説明書では45km/h、ホームページでは01.1.18現在、50km/hということになっているが、70kgの人間が乗って平地で56km/hまで確認できた。ちなみに3速時代のモンキーのインジゲーターは1速15km/h、2速30km/h、3速50km/hだった。

 重心が後ろにあるのとニーグリップできるから、直進なら見た目以上の安定感。シートも厚めで、長距離でもケツは痛くならない。ただ、ハンドルが小さくてどうしても猫背になる。

 このタイヤはオンロードでの乗り心地オフロードでのグリップの双方を考慮している。雪質にもよるが10cmくらいであれば、尻を振りながら、なんとか転倒せずに走破できた。雪上での実力はスクーター以上カブ未満。タイヤが小さいので、上の画像のように岩がゴツゴツした上り坂では、両足使ってほとんどヨチヨチ歩きとなる。こんなときは自動クラッチで助かる。

   燃費は信号停止の少ない国道を登りも下りも40km/h一定で走行したところ、約60km/Lとなった。4.5Lタンクなので、少なくとも200kmは航続できる。

   プッシュキャンセルではないが、ウインカーもホーンもスイッチが小さくて使いやすい。グリップを握り替えなくていい。フューエルコックもタンク下にあって、通常の走行ではカブより使いやすい。左右からタイヤを挟み込む合わせホイールのためタイヤ交換に腕力を必要としない。全ての部品が露出しているから、整備性もカブ以上。

 ここまではノーマルモンキーとほぼ同じ評価になるだろう。しかし細かい点ではmade in japanにかなわない。

ミラーの関して
1:ミラー鏡面が糸巻き型に歪曲している。
2:左ミラーが逆ネジ、しかもモンキーとネジ穴が違う。
3:振動で右ミラーがすぐに緩む。

メーター周辺に関して
4:ニュートラルランプしか点灯しない。
5:シフトポジションインジゲーターがない。
6:ウインカーの音がしない。
7:メーターが初日に壊れた。速度とmは回るのだが、kmが、、、。
 故障したメーターを分解してみた。どうやらメーター内照明の電球(部品は6V!)の熱でm、km部品が溶けて変形し、動かなくなったようだ。それにしてもメーター内照明があるとは気付かなかった、初めから点灯しなかったから。

塗装・溶接に関して
8:タンク裏面が完全には塗装されておらず、金属剥き出しの部分がある。
9:フレームナンバーの刻印は、掘り込みというより、焼き付けのレベル。
10:溶接箇所がひじょぉぉぉ〜に錆びやすい。

その他
11:スロットルグリップ、シフトチェンジなど操作全般が緩かったり、渋かったり、軽かったりと、、、、加工精度が低い気がする。この後に乗ったシャリーでやはり国産車とはエンジンのスムーズさが違うと実感した。

モンキーよりいい点もある。
1:サイドリフレクターは夜間にありがたい。
2:ヘッドライトも12V35W(消灯可能)でありがたい。
 ただし、ヘッド/ウインカー/テールの光量比が、モンキーの25/10/5Wに対してドギーは35/10/3Wとバランスが悪い。

 モンキーを無改造で運用し、個体差と若干のトラブルを覚悟できるならドギーでもいいかも知れない。とりあえずモンキーの形が欲しい方、そして精密部品を除く部品取りとしての購入なら恐る恐るお勧めできる。高すぎる国産車の価格破壊につながることを期待したい。

2001.1.18 記述

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